JIS P 8149:2000 紙及び板紙− 不透明度試験方法(紙の裏当て)− 拡散照明法 Paper and board−Determination of opacity (paper backing) − Diffuse reflectance method
1. 適用範囲 この規格は,拡散照明/0°受光による紙及び板紙の不透明度試験方法(紙の裏当て)について規定する。この規格は,白色又は白色に近い紙及び板紙に適用する。 備考 この規格の国際対応規格を,次に示す。 なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,MOD(修正している)とする。 ISO 2471 : 1998 Paper and board−Determination of opacity (paper backing) −Diffuse reflectance method (MOD) 参考 蛍光染料を含む紙及び板紙並びに顕著な蛍光を呈する紙及び板紙も測定は可能であるが,測定装置が異なると得られる値が一致しないおそれがある。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS P 0001 紙・板紙及びパルプ用語 備考 ISO 4046:1978, Paper, board, pulp and related term−Vocabularyからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS P 8110 試験用紙採取方法 備考 ISO 186:1994, Paper and board−Sampling to determine average qualityからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS Z 8105 色に関する用語 JIS Z 8120 光学用語 JIS Z 8401 数値の丸め方 JIS Z 9041-1 データの統計的な解釈方法−第1部:データの統計的記述
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS P 0001, JIS Z 8105及びJIS Z 8120によるほか,次による。
a) 反射率 (reflectance factor) R 同一条件下において,完全拡散反射面によって反射された放射に対し,物体によって反射された放射の比率を百分率で表した値。
b) 視感反射率 (luminous reflectance factor) Ry CIEイルミナントC及びCIE1931 (2°) 等色関数y (‰決まる反射面の反射率(光源C・2度視野における三刺激値のY値に相当する)。反射面の視覚的特性に対応した反射率。
c) 単一シート視感反射率 (single-sheet luminous reflectance factor) R0 黒色筒を裏当てした単一シートの視感反射率。
d) 固有視感反射率 (intrinsic luminous reflectance factor) R∞ 十分不透明なほど厚いか又は重ねたシート数を2倍にしても測定される反射率に変化がないような十分な枚数を重ねた試料の視感反射率。
e) 不透明度 [opacity (paper backing) ] Op 同一試料について,単一シート視感反射率R0の固有視感反射率R∞に対する比率を百分率で表した値。
4. 原理 黒色筒を裏当てした単一シート視感反射率及び同じ試料の固有視感反射率をISO 2469に基づいて測定する。不透明度は,その二つの値の比率とする。
5. 装置 装置は,次による。
a) 反射率計 ISO 2469の附属書Aに規定された幾何学的,分光学的及び光学的特性をもち,視感反射率を測定するための機構を備え,ISO 2469の附属書Bの規定に従って校正されたものとする。
b) 反射率計の分光学的特性 光学フィルタ方式の反射率計(光電色彩計)の場合,反射率計全体の光学的特性が,CIEイルミナントCにおけるCIE1931 (2°) 標準表色系(XYZ表色系)のCIE三刺激値のY値と等価であることとする。 分光反射率計の場合,附属書A表A.1に規定された重み関数を用いて,CIEイルミナントCにおけるCIE1931 (2°) 標準表色系のCIE三刺激値のY値を計算できることとする。
c) 常用標準白色面 ISO 2469の規定に従って校正された,表面が平たんで清浄な乳白ガラス製又はセラミック製の2枚の平板。 備考 内部標準白色面を備えている装置では,常用標準白色面の機能をそれで代用してもよい。
d) 参考標準白色面 装置及び常用標準白色面を校正するためのもので,ISO/TC6の認定した機関 (authorized laboratory)が発行するもの。
e) 黒色筒 (black cavity)(1) 装置製造業者が定めた反射率に対し,すべての波長において差が±0.2%の範囲内にある反射率をもつもの。
注(1) 黒色筒は,製造業者によってはライトトラップ,黒体,ゼロボックス,ブラックボックス,ゼロ校正ボックス,吸光筒,ゼロ合わせ用暗箱などともいう。
備考 黒色筒は,清浄な雰囲気下に上下逆向きに置くか,又は保護用のふたをして保管する。 参考 黒色筒の反射率は,装置製造業者に問い合わせて確認する。
JIS P 8149:2000
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