JIS K7245:2000

01-03-2023 comment

JIS K7245:2000 プラスチック −エポキシ樹脂用アミン系硬化剤− 第一,第二,第三アミノ基 窒素含有量の求め方
1. 適用範囲
この規格は,エポキシ樹脂用の脂肪族又は芳香族アミン系硬化剤中の第一,第二及び第三アミノ基窒素含有量の求め方について規定する。
2. 原理
2.1 脂肪族アミン化合物
2.1.1 全アミノ基窒素含有量 (XT) の測定 酢酸中で臭化水素酸又は過塩素酸による全アミノ基窒素の塩基性の電位差滴定法は,次の反応式による。
RNH2+H+→RN+H3 (RR’) NH+H+→ (RR’) N+H2 (RR’R”) N+H+→ (RR’R”) N+H ここに,R,R’,R”は,アミノ基窒素に直接結合する芳香環を含まない基を意味する。以下同じ。 結果は窒素の質量百分率で示す。
2.1.2 第三アミノ基窒素含有量 (X3) の測定 第三アミノ基窒素含有量の測定は,まず,無水酢酸を用いて第一及び第二アミノ基をアミド基に変える。アミド化反応は,次の反応式による。 RNH2+ (CH3CO) 2O→RNHCOCH3+CH3COOH (RR’) NH+ (CH3CO) 2O→ (RR’) NCOCH3+CH3COOH 酢酸と無水酢酸中とで臭化水素酸又は過塩素酸による第三アミノ基窒素の塩基性の電位差滴定法は,次の反応式による。 (RR’R”) N+H+→ (RR’R”) N+H結果は窒素の質量百分率で示す。
2.1.3 第一アミノ基窒素含有量 (XL1) の測定 N, N−ジメチルホルムアミド中で第一アミノ基と2,4−ベンタジオン(以下アセチルアセトンという)からイミンを形成する反応は次の反応式による。 RNH2+CH3COCH2COCH3→CH3C (NR) CH2COCH3+H2O 一定過剰に加えたアセチルアセトンの未反応部分を電位差滴定法によって水酸化カリウムで測定する(アセチルアセトンと第一アミノ基との反応生成物は,この条件では中性である)。 結果は窒素の質量百分率で示す。
2.1.4 第二アミノ基窒素含有量 (XL2) の測定 第二アミノ基窒素含有量は全アミノ基窒素含有量から第一及び第三アミノ基窒素含有量の合計量を差し引いて求める。
2.2 芳香族アミン化合物
2.2.1 全アミノ基窒素含有量 (XT) の測定 酢酸中で臭化水素酸又は過塩素酸による全アミノ基窒素の塩基性の電位差滴定法は,次の反応式による。 ArNH2+H+→ArN+H3 (ArAr’) NH+H+→ (ArAr’) N+H2 (ArAr’Ar”)N+H+→ (ArAr’Ar”) N+H ここに,Ar,Ar’Ar”はアミノ基窒素に直接結合する芳香環を含む基を意味する。以下同じ。 結果は窒素の質量百分率で示す。
2.2.2 第三アミノ基窒素含有量 (X3) の測定 第三アミノ基窒素含有量の測定は,まず,無水酢酸を用いて第一及び第二アミノ基をアミド化する。アミド化反応は次の反応式による。 ArNH2+ (CH3CO) 2O→ArNHCOCH3+CH3COOH (ArAr’)NH+ (CH3CO) 2O→ (ArAr’) NCOCH3+CH3OOH 酢酸と無水酢酸中とで臭化水素酸又は過塩素酸による第三アミノ基窒素の塩基性の電位差滴定法は,次の反応式による。 (ArAr’Ar”)N+H+→ (ArAr’Ar”) N+H 結果は窒素の質量百分率で示す。
2.2.3 芳香族第二及び第三アミノ基窒素含有量の和 (XR2+3) の測定 芳香族第二及び第三アミノ基窒素含有量の和の測定は,まず,酢酸中でサリチルアルデヒドを用いて第一アミノ基をシッフ塩基に変える。シッフ塩基化の反応は,次の反応式による。 ArNH2+C6H4 (OH) CHO→ArN=CHC6H4 (OH) +H2O 酢酸中で塩酸による第二及び第三アミノ基窒素の塩基性の電位差滴定法は,次の反応式による。 (ArAr’)NH+H+→ (ArAr’) N+H2 (ArAr’)NH+H+→ (ArAr’) N+H2 (ArAr’Ar”)N+H+→ (ArAr’Ar”) N+H 備考 弱塩基性アミンを含むときの第二及び第三アミノ基窒素の塩基性の電位差滴定法は酢酸中で臭化水素酸又は過塩素酸で滴定する。 結果は窒素の質量百分率で示す。
2.2.4 芳香族第一アミノ基窒素含有量 (XR1) の測定 芳香族第一アミノ基窒素含有量は全アミノ基窒素含有量から第二及び第三アミノ基窒素含有量の合計量を差し引いて求める。
2.2.5 芳香族第二アミノ基窒素含有量 (XR2) の測定 芳香族第二アミノ基窒素含有量は第二及び第三アミノ基窒素含有量の合計量から第三アミノ基窒素含有量を差し引いて求める。

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