JIS K0128:2000 用水・排水中の農薬試験方法
1. 適用範囲
この規格は,工業用水及び工場排水中の農薬類のうち,付表1に示す農薬の試験方法について規定する。 備考1. この規格の試験方法の概要一覧を,付表2に示す。
2. 付表1に示す農薬の構造式などを,付表3に示す。
2. 引用規格 付表4に示す規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
3. 共通事項 共通事項は,次による。 a) 通則 化学分析に共通する一般事項は,JIS K 0050による・
b) 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 0101,JIS K 0102,JIS K 0211及びJIS K 0215による。
c) ガスクロマトグラフ法 ガスクロマトグラフ法に共通する一般事項は,JIS K 0114による。
d) ガスクロマトグラフ質量分析法 ガスクロマトグラフ質量分析法に共通する一般事項は,JIS K 0123による。
e) 高速液体クロマトグラフ法 高速液体クロマトグラフ法に共通する一般事項は,JIS K 0124による。
f) 項目の名称 項目の名称は,国内だけの登録農薬名であるEPNを除いて,ISO登録農薬名を片仮名で表示したもので,付表1の国内通称名を用いて表現している。ただし,一部に商標登録名と一致するものもある。また,化合物名は通称名を用いたものもある。 なお,各項目における国内通称名の化合物名は,“Chemical Abstracts Index Guide 9th, 10th” で使用されている化合物を,国内通称名に続いて括弧内に併記した。
g) 定量範囲 それぞれの試験方法に示してある定量範囲は,各試験方法に用いられている装置に注入する溶媒中の対象農薬の質量 (ng) で示す。
h) 繰返し分析精度 繰返し分析精度は,それぞれの試験方法の定量範囲内において繰返し試験で求めた変動係数 (%) で示す(1)。
i) 水 この規格で用いる水は,JIS K 0557に規定するA1〜A4の水とする。試薬の調製,空試験などに用いる水は,A4(又はA3)の水とするが,使用前に各試験方法で空試験を行い,使用の適否を確認する。
j) 試薬 1) 試薬は,品目指定されている場合には,JISに規定するものを用いる。JISに規定されるものがない場合には,試験に支障のないものを用いる。
2) 試薬類の溶液の濃度は,一般に質量濃度はg/L又はmg/L(化合物の場合は無水物としての質量を用いる。)で,モル濃度はmol/L又はmmol/Lで示す。 標準液の濃度は,1ml中の質量(mg/ml,洀最一洀はng/ml)で表す。
3) 液体試薬の濃度は,水(又は別の液体試薬)との混合比[試薬 (a+b)]で表す。この表し方は,試薬amlと水(又は別の液体試薬)bmlとを混合したことを示す。ただし,JIS K 0050の表3の液体試薬を薄めないで用いる場合は,その試薬名だけで示す。
4) 試薬類の溶液名称の後に括弧で示されている濃度は,標準液以外は概略の濃度であることを意味する。例えば,水酸化ナトリウム溶液 (0.1mol/L) は約0.1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液であることを示す。 また,溶液名の前に示す濃度は,正確な濃度を意味する。ただし,一般には,端数のない数値で示し,別にファクターを求めておく。
5) 試薬類の名称は,国際純正及び応用化学連合 (IUPAC) の無機化学命名法及び有機化学命名法を基にして,社団法人日本化学会が定めた化合物命名法及びJIS試薬の名称にできるだけ整合させた。
6) 標準液の調製に使用する農薬は,純度既知のものを用いるが,この規格では,それを標準品と記述してある。それらには類似した化合物が不純物として含まれることが多いので,試験に支障のないものを使用する。
7) 試薬類及び廃液などの取扱いについては,関係法令規則などに従い十分に注意する。
k) ガラス器具類 ガラス器具類は,特に断らない限りJIS R 3503及びJIS R 3505に規定するものを使用する。ただし,特殊な器具を必要とする場合には,それぞれの項目に,その一例を図示又は説明する。 また,加熱操作を伴う場合には,JIS R 3503に規定するほうけい酸ガラス-1を用いる。 デシケーターに用いる乾燥剤は,特に断らない限りシリカゲル(2)とする。 試験に用いるガラス器具類は,使用前にあらかじめ水で洗浄した後,更にアセトン(JIS K 8040に規定する濃縮300以上の品質のもの。)で洗浄しておく。
注(2) JIS Z 0701に規定する包装用シリカゲル乾燥剤A形1種を用いる。 l) 検量線(ガスクロマトグラフ法,ガスクロマトグラフ質量分析法,高速液体クロマトグラフ法) 検量線の作成に当たっては,試験方法に示される定量範囲内を4〜6段階に分け,これに一致するように標準液をとり,定量範囲内について作成する。
JIS K0128:2000
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