JIS H1403:2001 タングステン材料の分析方法 Methods for chemical analysis of tungsten materials
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 JIS K 0016 鉄標準液 JIS K 0036 標準物質−標準液−カリウム
JIS K 0037 標準物質−標準液−マグネシウム
JIS K 0038 標準物質−標準液−カルシウム
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0115 吸光光度分析通則
JIS K 0116 発光分光分析通則
JIS K 0121 原子吸光分析通則
3. 一般事項 分析方法に共通な般事項は,JIS K 0050,JIS K 0115,JIS K 0116及びJIS K 0121による。
4. 試料の採り方及び取扱い方
4.1 試料の採り方 試料の採り方は,その品質を代表するように,汚染などに注意して,分析に必要な量を採取する。
4.2 試料の取扱い方 a) 試料の取扱い方は,
4.1で採取した試料を水酸化ナトリウム (300g/L) 中に浸して約15分間煮沸し,水洗し,清浄なガーゼ又はブラシなどで黒鉛などをぬぐい去った後,適切な長さに切断するか又は1mm以下に破砕し,塩酸 (1+1) で約15分間煮沸した後水洗し,更にエタノール (95) で洗浄した後,乾燥する。
b) 乾燥した試料は,酸化及び吸湿を防止するために適切な容器に入れ密封し,分析用試料とする。
5. 分析値のまとめ方
5.1 分析回数 通常,同一試料について2回行う。
5.2 空試験 分析に当たっては,空試験を行い,測定値を補正する。
5.3 分析値の表示 分析値は,質量百分率で表し,表1の適用含有率範囲に規定されている定量範囲の最下位の次のけたまで算出し,JIS Z 8401によって定量範囲の最下位のけたに丸める。ただし,丸めた結果,小数点以下の有効数字が3けた以上になる場合は,小数点以下有効数字2けたに丸める。
6. 安全衛生に関する注意 分析操作を行うには,常に安全及び衛生に注意しなければならないが,特に次の事項に注意する。
a) 分析に使用する試薬は,労働安全衛生法有機溶剤中毒予防規則,労働安全衛生法特定化学物質等障害予防規則並びに毒物及び劇物取締法の基準に従い操作など十分に注意する。
b) 原子吸光法及び誘導結合プラズマ (ICP) 発光分光法における高圧ガスの取扱いにおいては,高圧ガス取締法及びそれに関連する諸法令の基準に従い,また,運搬,設置,操作などに十分注意し,火気に十分気をつける。
c) 原子吸光法においては,フレームの点火及び消火に注意し,特に一酸化二窒素・アセチレンフレームを使用する場合には逆火及び爆発に注意する。
d) 誘導結合プラズマ (ICP) 発光分光法においては,高電圧,高温,高周波及び強い光が関係する装置のため,測定者に対して危険及び健康を阻害する可能性がある。したがって安全機構,危険防止,測定室環境などに配慮が必要である。
e) 不揮発分の定量に,液化塩化水素ボンベを使用するときは,取扱いに十分注意する。また,塩化水素は十分に処理して排出する。
7. 鉄定量方法
7.1 定量方法の区分 鉄の定量方法は,次のいずれかによる。
a) 1,10−フェナントロリン吸光光度法 この方法は,鉄含有率0.001% (m/m) 以上0.03% (m/m) 以下の試料に適用する。
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