JIS G4321:2000 建築構造用ステンレス鋼材
1. 適用範囲 この規格は建築構造物に用いるステンレス鋼材以下鋼材という。について規定する。
2. 引用規格 付表 1 に掲げる規格はこの規格に引用されることによってこの規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格はその最新版追補を含む。を適用する。
3. 種類及び記号 鋼材の種類は4 種類としその記号は表 1 による。
4. 化学成分
4.1 溶鋼分析値 鋼材は13.1 の試験を行いその溶鋼分析値は表 2 による。
4.2 製品分析値 鋼材の製品分析値は注文者の要求がある場合に 13.1 の試験を行いその許容変動値はJIS G 0321 による。ただしこの表に規定されていない元素及び化学成分の値については受渡当事 者間の協定による。
5. 機械的性質 鋼材は13.2 の試験を行いその機械的性質は表 3 による。
注( 1 ) 0.1耐力とは引張試験において0.1の永久伸びを起こすときの力 (N) を平行部の断面積 (mm 2 ) で除した商 (N/mm 2 ) でJIS Z 2241によるオフセット法によって求めた値である。
( 2 ) 降伏比とは引張強さに対する 0.1耐力の割合をいう。
( 3 ) 山形鋼平鋼角形鋼管及び円形鋼管で冷間成形のままで使用する場合は70以下とすることができる。
このとき種類の記号の末尾に− C をつける。
6. 寸法許容差 鋼材の寸法許容差は次による。
参考 鋼材の断面形状寸法単位質量及び断面特性を附属書に示す。
a) 熱間圧延 H 形鋼 熱間圧延 H 形鋼の寸法許容差は表 4 による。
b) 鋼板及び鋼帯 鋼板及び鋼帯の寸法許容差はJIS G 4304 及び JIS G 4305 による。
c) 熱間圧延等辺山形鋼 熱間圧延等辺山形鋼の寸法許容差はJIS G 4317 による。ただし厚さの許容差は表 5 による。
7. 標準長さ 鋼材の標準長さは次による。
a) 熱間圧延 H 形鋼はJIS G 4317 による。
b) 鋼板はJIS G 4304 及び JIS G 4305 による。
c) 熱間圧延等辺山形鋼はJIS G 4317 による。
d) 熱間圧延溝形鋼はJIS G 4317 による。
e) 棒はJIS G 4303 及び JIS G 4318 による。
f) 円形鋼管はJIS G 3446JIS G 3468 及び JIS G 5121 による。
g) 角形鋼管はJIS G 3466 による。
h) 冷間成形等辺山形鋼はJIS G 4320 による。
8. 質量 鋼材の質量計算方法は次による。
a) H 形鋼山形鋼溝形鋼円形鋼管角形鋼管及び冷間成形等辺山形鋼の質量の計算方法は表 12
b) 鋼板及び鋼帯の質量の計算方法はJIS G 4310 による。
9. 耐食性 粒界腐食試験による耐食性について特に注文者の指定がある場合は受渡当事者間でJISG 4304 の 6.耐食性に規定された試験方法を協定し試験を行う。耐食性の判定基準は JIS G 4304 による。
10. 表面仕上げ 鋼材の表面仕上げは表 13 による。
11. 外観 外観は次による
a) 使用上有害な欠点があってはならない。
b) 有害な欠点がある場合には製造業者はグラインダなどによって欠点を除去することができる。ただし
1) 手入れ後の断面寸法はその許容範囲内になければならない。
2) 手入れ部の表面はきれいに仕上げられており周辺の面と調和が取れていなければならない。
12. 製造方法 製造方法は次による。
a) 製造業者は要求された品質に適合するように適切な製造方法で製造しなければならない。
b) 受渡当事者間で契約時に協定がある場合にはそれに従い注文者の要求がある場合には製造方法
を報告しなければならない。
13. 試験
13.1 分析試験 分析試験は次による。
a) 分析試験の一般事項及び溶鋼分析試料の採り方はJIS G 0404 による。
b) 製品分析試料の採り方はJIS G 0321 による。ただし供試材は破断後の引張試験片を用いることができる。
c) 分析方法は次のいずれかによる。
JIS G 1211JIS G 1212JIS G 1213JIS G 1214JIS G 1215JIS G 1216JIS G 1217JIS G 1218
JIS G 1228JIS G 1237JIS G 1253JIS G 1256JIS G 1257
13.2 引張試験 引張試験は次による。
a) 試験一般事項は次による。
1) 機械試験の一般事項はJIS G 0404 及び JIS G 0416 による。
2) 試験温度は23±5℃とする。
3) 試験方法はJIS Z 2201 及び JIS Z 2241 による。ただし引張強さの測定は試験片平行部のひずみ増加率が 40∼ 80/min になるような引張速度を用いる。
b) 鋼材の供試材試験片及び引張試験方法は次による。
1) 熱間圧延 H 形鋼はJIS C 4317 による。
2) 鋼板及び鋼帯はJIS G 4304 及び JIS G 4305 による。
3) 熱間圧延等辺山形鋼はJIS G 4317 による。
4) 熱間圧延溝形鋼はJIS G 4317 による。
5) 棒はJIS G 4303 及び JIS G 4318 による。
6) 円形鋼管はJIS G 3446JIS G 3468 及び JIS G 5121 による。
6.1) 試験片は管軸方向から採取するものとする。
6.2) 溶接部の引張試験はJIS G 3475 によって行い引張強さは表 3 を満足しなければならない。
7) 角形鋼管の引張試験はJIS G 3466 による。
7.1) 試験片は13B 及び 14B を用いてもよい。
7.2) 溶接部の引張試験は受渡当事者間で協定した場合に実施しJIS Z 3121 により引張強さは表3 を満足しなければならない。
8) 冷間成形等辺山形鋼はJIS G 4320 による。
c) 円形鋼管の溶接部のへん平試験はJIS G 3475 による。
14. 検査 検査は次による。
a) 検査の一般事項はJIS G 0404 及び JIS G 0416 による。
b) 化学成分は4.に適合しなければならない。
c) 機械的性質は5.に適合しなければならない。
d) 寸法許容差は6.に適合しなければならない。
e) 耐食性は9.に適合しなければならない。
f) 表面仕上げは10.に適合しなければならない。
g) 外観は11.に適合しなければならない。
15. 表示 検査に合格したものは一品ごと又は一結束ごとのいずれかに次の事項を表示する。ただし受渡当事者間の協定によって項目の一部を省略することができる。
a) 種類の記号
b) 寸法
c) 製造業者名又はその略号
d) 溶鋼番号又は検査番号
16. 報告 製造業者は注文者の要求があった場合規定又は指定された試験項目及び必要に応じて鋼材の寸法数量納入状態などを記載した報告書を提出しなければならない。
JIS G4321:2000
PS:Thank you for your support!