JIS C3621:2000 600V EPゴム絶縁ケーブル
1. 適用範囲
この規格は,600V以下の電力用又は制御用の回路に使用するEPゴム(1)で絶縁し,ポリクロロプレン(以下,クロロプレンという。)又は塩化ビニル樹脂を主体としたコンパウンド(以下,ビニルという。)でシースを施したEPゴム絶縁ケーブル(以下,ケーブルという。)について規定する。
注(1) EPゴムとは,エチレンプロピレンゴムをいう。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 JIS C 3005 ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法 JIS C 3152 すずめっき軟銅線
3. 種類及び記号 種類及び記号は,表1による。
表1 種類及び記号 種類 記号(2) 600V EPゴム絶縁クロロプレンシースケーブル 600V PN 600V EPゴム絶縁ビニルシースケーブル 600V PV 注(2) 記号の意味は,次による。 P:EPゴム
N:クロロプレン
V:ビニル
4. 特性 特性は,6.によって試験を行ったとき,表2による。
5. 材料,構造及び加工方法 材料,構造及び加工方法は,付表1〜3及び次による。
a) 導体 導体は,円形より線及び分割圧縮より線とする。
1) 円形より線 円形より線は,JIS C 3152に規定するすずめっき軟銅線を同心よりにより合わせたものとする。 なお,より方向は各層交互に反対,最外層においてSよりとする。
2) 分割圧縮より線 分割圧縮より線は,JIS C 3152に規定するすずめっき軟銅線をより合わせて圧縮成形して各分割部分導体とし,Sよりにより合わせて円形としたものとする。 なお,各分割部分導体相互間には適切な絶縁を施すものとする。また,より合わせた後,適切なバインダテープを巻いてもよい。
b) セパレータ 導体上には適切なセパレータを施してもよい。
c) 絶縁体 絶縁体は,
a)の導体上(又は“セパレータ上に”)に,EPゴムを付表1〜3の厚さに導体と同心円状に被覆する。
絶縁体の平均厚さは,付表1〜3の値の90%以上とし,最小厚さは,付表1〜3の値の80%以上とする。 なお,絶縁体上には適切なテープを施してもよい。
d) 線心の識別 線心の識別は,絶縁体又は絶縁体表面の色,その他適切な方法によって行い,次による。
2心 黒,白 3心 黒,白,赤
e) 線心より合わせ 線心のより合わせは,線心の所要条数を必要により適切な介在物とともにSよりにより合わせる。なお,より合わせのピッチは,導体公称断面積100mm2以下のものについては,層心径の30倍以下とする。 線心のより合わせ上には,必要によって適切なバインダを施してもよい。
f) シース シースは,単心ケーブルでは,
c)の絶縁体上に,多心ケーブルではe)の線心より合わせ上に,クロロプレン又はビニルを次の式によって求めた厚さに被覆する。シースの色は通常黒とする。 なお,ケーブルの表面には,有害なきずがあってはならない。 8.025+=Dt ここに, t: シースの厚さ (mm) D: シースの内径 (mm) (小数点2位以下四捨五入) ただし,シースの厚さ1.5mm未満の場合は1.5mmとする。
ただし,必要に応じてこの上に約1mmの厚さに帆布を重ね巻きしてもよい。この場合,シースの厚さは上の計算式で求めた値に0.5mmを減じたものとし,帆布巻きの厚さは,シースの厚さに含めないものとする。 シースの平均厚さは,上記の値の90%以上とし,最小厚さは,上記の値の85%以上とする。
6. 試験方法 6.1 外観 外観は,JIS C 3005の4.1(外観)による。
6.2 構造 構造は,JIS C 3005の4.3(構造)による。
6.3 導体抵抗 導体抵抗は,JIS C 3005の4.4(導体抵抗)による。
6.4 耐電圧 耐電圧は,JIS C 3005の4.6のa)(水中)による。
6.5 絶縁抵抗 絶縁抵抗は,JIS C 3005の4.7.1(常温絶縁抵抗)による。
6.6 絶縁体及びシースの引張り 絶縁体及びシースの引張りは,JIS C 3005の4.16(絶縁体及びシースの引張り)による。 6.7 加熱 加熱は,JIS C 3005の4.17(加熱)による。加熱温度及び加熱時間は,絶縁体及びクロロプレンシースについては,JIS C 3005の
4.17.2(試験方法)の表5のC,ビニルシースについては,JIS C 3005 4.17.2の表5のBによる。
.8 耐油 耐油は,シースについて行い,JIS C 3005の4.18(耐油)による。浸油温度及び浸油時間は,クロロプレンは,JIS C 3005の4.18の表6のCによって,ビニルは,JIS C 3005の4.18の表6のAによる。
6.9 巻付加熱 巻付加熱は,導体公称断面積100mm2以下のビニルシースのものについて行い,JIS C 3005の4.19.1(A法)による。加熱温度は,120℃±3℃とし,巻付回数及び円筒の径は,表3による。
JIS C3621:2000
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