JIS B9931:2000 質量法による作動油汚染の測定方法
1. 適用範囲 この規格は,油圧システムに使用されている作動油の汚染度を,二通りの質量法によって測定する方法を規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用規格は,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。 ISO 4021 : 1977 Hydraulic fluid power−Particulate contamination analysis−Extration of fluid samples from lines of an operating system
3. 測定の原理 真空状態下で,1枚又は2枚に重ねた同一の薄膜フィルタに,所定量の作動油を通し,ろ過する。ろ過後の薄膜フィルタの質量の増加又は2枚の薄膜フィルタの質量の差が固体不純物の質量に相当する。
4. 測定に用しる装置・器具 測定に用いる装置・器具は,次による。
a) フィルタ支持台 次の1)〜3)からなる。
1) 250mL目盛付きガラス製漏斗
2) 締付具 3) 焼結ガラス又はステンレス製フィルタ支持台
b) 漏斗用ふた 例えばペトリ皿
c) 測定用薄膜フィルタ 測定用薄膜フィルタ(以下,フィルタという。)は,直径47mmで,白色,格子がないもので,測定する作動油と洗浄用試薬とが共用できるもの。フィルタは,0.8洀湛呟鈰つ。これ以外の孔径のものを使用した場合は,明示する。
d) 吸引瓶
e) 吸引ポンプ 吸引ポンプは,86.6kPa (0.866bar) (650mmHg) の真空度が得られるもの。
f) 洗浄瓶 洗浄瓶は,薄膜フィルタ付きで,圧力で噴霧することができるもので,試薬又は溶剤をろ過できるようにしたもの。
g) ピンセット 先端の平らなステンレス製ピンセット。
h) ペトリ皿 直径150mmのガラス製のもの。 i) 試料瓶 試料瓶は,首の細長いガラス製の容量100mL以上,スクリューキャップ付きで,100mLの位置に目盛が付いているもの。
j) プラスチックフィルム プラスチックフィルムは,厚さ0.05mm, 50mm四方のもので,キャップと試料瓶の首にはさむもの。
k) 質量計 質量計は,感度が0.05mgのもの。
l) 乾燥装置 乾燥装置は,非換気形で,80℃が保持できるもの。
m) 空気イオン化装置 この装置は,秤量操作中にごみの付着を防止するため,フィルタを装着した質量計の皿の下に置き,下から投射する。
n) デシケーター
5. 試薬及び溶剤 試薬及び溶剤は,次による。
a) 蒸留水又は純水
b) イソプロピルアルコール 参考 イソプロピルアルコールは,JIS K 8839[2−プロパノール(試薬)]の1級又はこれと品質が同等以上のもの。
c) 石油エーテル 参考 石油エーテルは,JIS K 8593[石油エーテル試薬)]の1級又はこれと品質が同等以上のもの。
d) 液体洗剤 液体洗剤は,固体残留物を含まないもの。 警告 引火点の低い溶剤を使用する場合は,取扱いに注意する。 有害な溶剤蒸気を吸入しないように,適切な予防措置を施す。
JIS B9931:2000
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