JIS B9621:2000

01-02-2023 comment

JIS B 9621:2000 印刷技術―工程管理―オフセット刷版製版
1. 適用範囲 この規格は,オフセット刷版製版に関する用語,試験方法及び工程管理上の条件について
規定する。この規格の適用範囲は,次のとおりである。
− 金属版にあらかじめ感光層を塗布した版材に適用する。
− 真空焼枠,殖版機,その他自動処理機による密着焼きに適用する。
− 原理的には同類とみなせても,投影方式及び直描方式の刷版製版には適用しない。
− 非周期性スクリーンなどには,たとえトーンバリューの管理で共通性があっても,適用しない。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。その最新版(追補を含む。)を適用する。
ISO 5-2 : 1991 Photography−Density measurements−Part 2 : Geometric conditions for transmission density
ISO 5-3 : 1995 Photography−Density measurements−Part 3 : Spectral conditions
JIS B 9620-1 印刷技術−カラー印刷における工程管理−第1部 : パラメータとその測定方法
備考 ISO 12647-1 : 1996, Graphic technology−Process control for the manufacture of half-tone colour separations, proof and production prints−Part 1 : Parameters and measurement methodsと同等 である。
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
備考 “量”を表すものには,適切と思われる単位を付した。また,無次元の用語の単位は定義によ って,1とした。
3.1 版材の感光層の耐薬品性や耐摩耗性を上げるために行う加熱処理。
べーキング (baking)
備考 我が国ではバーニングという。
3.2 密着焼き工程 (contact exposure step) 版材にフィルムを密着させた状態で露光する工程。
参考 通常は,密着状態を十分にするために真空吸着を使用する。
3.3 連続調ステップウェッジ (cotinuous-tone step wedge)透過濃度ステップが0.15又は0.30の連続調のコントロールパッチ。
3.4 印刷物の計測又は管理のために設けられた一定面積の画像 コントロールパッチ (control patch)
部分(JIS B 9620-1の定義)。
3.5 幾つかのコントロールパッチを1列に並べて帯状にした コントロールストリップ (control strip)
もの(JIS B 9620-1の定義)。
3.6 1本の線又は網点の中心部の透過濃度。単位1。
コア濃度(網分解フィルムの) (core density)
3.7 露光量 (exposure) 露光工程での,感光剤に対して有効な光の放射強度とその露光時間との積。単位J/m2。
備考 関係さえつけておけば,総照射エネルギー測定量を使用することもできる。
3.8 受け入れられる結果が得られる最小露光量と最大露光量 露光ラティテュード (exposure latitude)
との比。単位1。
3.9 焼付工程 (exposure step) 刷版の感光剤に対して有効な光で露光する工程。
フィルムのポジ又はネガの状態。フィルムの画像部が印刷物3.10 フィルムポラリティ (film polarity)
の画像部に相当する場合を“ポジフィルム”といい,その逆の場合を“ネガフィルム”という(JIS B 9620-1の定義)。
1本の線又は一つの網点の輪郭部において,最低限必要とされるコア濃
3.11 フリンジ幅 (fringe width)
度の10%と90%に相当する濃度で形成される濃度等高線間の距離の平均値。“最低限必要とされるコア濃度”は印刷方式及びその他の条件によって決まる。単位 JIS B 9620-1の定義)。
階調のある印刷物を作る際に使用されるフィルム。像は網点や線
3.12 網分解フィルム (half-tone film)
で構成されている(JIS B 9620-1の定義)。
3.13 マイクロライン読取値 (microline reading)版面に焼付・現像されたマイクロラインの画線の中で,個々のマイクロラインの長さの1/2以上が,明りょう(瞭)に画線として確認できる部分に相当するマイ
クロラインフィルム上の最小の表示幅。ネガ読取値は白抜け部分の,ポジ読取値は黒線部分の読取値をいう。単位
3.14 マイクロライン (microline target) ポジ型とネガ型のマイクロラインのパターンをコントロールパッチ状にしたもの。
ネガの分解フィルムを使用して刷版を作るた3.15 ネガプレート (negative-acting offset printing plate)
めのオフセット印刷用版材(JIS B 9620-2の定義)。
画線部にインキが付着し,非画線部にはインキが付着しな3.16 オフセット刷版 (offset printing forme)
いようになっている平版印刷用の版。
備考 オフセットプレートに露光,現像処理,後処理を施すとこうした刷版ができる。
分解フィルムを密着露光及び現像処理を施すことによ3.17 オフセットプレート (offset printing plate)
ってオフセット印刷用の版になるように作られた材料。
備考 最近はオフセット刷版の意味でも用いる。
3.18 密着不良現象 (out-of-contact phenomenon) 露光の際に,分解フィルムと版材の感光面が十分に密着しないままで処理したため,画線を正確に再現しなくなる現象。
備考 異物による場合と,バキュームの状態が悪く空気が残って密着が悪くなる場合とがある。
3.19 刷版工程 (platemaking ; preparation of offset printing forme)オフセットプレートからオフセット刷版を作る工程。

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