JIS A8321:2001 土工機械− 油圧ショベル又はバックホウ ローダのブーム降下制御装置− 性能基準及び試験方法 Earth-moving machinery−Hydraulic excavator and backhoe loader boom-lowering control device−Requirements and tests
1. 適用範囲
この規格は,ブームシリンダに取り付けられ,油圧回路の欠陥又は破損が生じた場合に,落下速度を制御するブーム降下制御装置についての要求基準と試験方法について規定する。 この規格は,油圧ショベル又はバックホウローダのバックホウ部分で荷役を行う場合のブーム降下制御装置に適用する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 8643 : 1997 Earth-moving machinery−Hydraulic excavator and backhoe loader boom-lowering control device−Requirements and tests (IDT)
2. 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 JIS A 8308 土工機械−基本的機種−用語
3. 定義 この規格で用いられる主な用語の定義は,JIS A 8308によるほか,次による。
3.1 ブーム制御システム (boom control system) ブームの上げ及び下げに用いられる油圧コントロールバルブ(パイロット及び操作されるバルブを含む。)。
3.2 ブーム降下制御装置 (boom-lowering control device) ブーム降下速度を制御するために用いられる油圧コントロールバルブ。
3.3 破損シミュレート装置 (failure-simulating device) ブーム油圧回路の油圧配管破損をシミュレートするために用いられる油圧バルブ。
3.4 定格つり上げ能力 (rated lift capacity) 定格転倒能力又は定格油圧持上げ能力のいずれか小さい方(ISO 10567参照)。
3.5 つり上げ点 (lift point) 製造業者が定義するつり上げ目的のための一点。つり上げ点は高さと半径によって定義される。
3.6 つり上げ点高さ (lift point height) つり上げ点から基準地表面 (GRP) までの垂直距離。
3.7 つり上げ点半径 (lift point radius) つり上げ点から旋回中心までの水平距離。
4. 荷役のための要求基準 4.1 油圧ショベル又はバックホウローダのバックホウ部分で荷役を行う場合は,油圧回路に欠陥又は破損が生じたときに,ブームの降下を制御できなくなるのを防止するブーム降下制御装置を備えなくてはならない。
4.2 ブーム降下制御装置は,ブームシリンダに圧力が加わっているときに自動的に作動しなくてはならない。これらの装置は,その性能が5.に定める試験基準に適合しなければならない。 ブーム降下制御装置の試験に際し,ブーム油圧回路の内部リークによる荷の降下の程度は,中立位置で10mm/sを超えてはならない。 ブーム降下制御装置の作動は,機械の通常の応答速度を損なうものであってはならず,かつ,いかなるときであっても機械の安定性を損なうものであってはならない。
4.3 ブームシリンダ保護のためのリリーフバルブを,ブームシリンダとブーム降下制御装置の中間に入れてもよい。
4.4 ブーム制御システムの欠陥,又はブーム配管が破損した後の荷の降下は,人を危険な目に合わすことなく,かつ,機械の安定を損なうことなく,可能でなくてはならない。
4.5 ブームシリンダには,次のものをしっかりと取り付けていなければならない。
a) ブーム降下制御装置及びブーム降下制御装置とシリンダの間を接続する配管と継手。
b) ブーム降下制御装置とパラレルに入れられた専用のリリーフバルブを備える場合はバルブ及び接続する配管と継手。 コントロールバルブや,ブーム降下制御装置とパラレルに入れられた専用のリリーフバルブを備える場合はそのバルブ,並びに接続する配管及び継手は,ブーム回路に作用する圧力の最低4倍のバースト圧に耐えるものとする。
JIS A8321:2001
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