JIS A5528:2000 まえがき
1 適用範囲
この規格は,土留め,締切り,構造物の基礎などに使用する熱間圧延鋼矢板(以下,鋼矢板という。)について規定する。
2 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 0320 鋼材の溶鋼分析方法
JIS G 0404 鋼材の一般受渡し条件
JIS G 0415 鋼及び鋼製品−検査文書
JIS G 3192 熱間圧延形鋼の形状,寸法,質量及びその許容差
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
3 種類の記号
鋼矢板は,2種類とし,種類の記号は,表1による。
表1−種類の記号
種類の記号
SY295
SY390
4 化学成分
鋼矢板は,8.1の試験を行い,その溶鋼分析値は,表2による。
表2−化学成分
単位 %
種類の記号 P S
SY295 0.040以下 0.040以下
SY390 0.040以下 0.040以下
必要に応じて,この表以外の合金元素を添加してもよい。
5 機械的性質
5.1 降伏点又は耐力,引張強さ及び伸び
鋼矢板は,8.2によって引張試験を行い,その降伏点又は耐力,引張強さ及び伸びは,表3による。
表3−降伏点又は耐力,引張強さ及び伸び
種類の記号 降伏点又は耐力 引張強さ 試験片 伸び
N/mm2 N/mm2 %
1A号 18以上
SY295 295以上 450以上
14B号 24以上
1A号 16以上
SY390 390以上 490以上
14B号 20以上
注記 1 N/mm2=1 MPa
5.2 直線形鋼矢板の継手引張強度
直線形鋼矢板は8.3の試験を行い,その継手引張強度1) は,厚さ10 mm未満では3.92 MN/m以上,厚さ10 mm以上16 mm未満では5.88 MN/m以上とする。
注1) 鋼矢板の継手引張試験の経過中,試験片が耐えた最大試験力を幅1 m当たりに換算した値。
6 形状,寸法の許容差及び単位質量
形状,寸法の許容差及び単位質量は,次による。
a) 鋼矢板の断面形状は,U形,直線形,Z形,H形及びハット形とし,各部の名称は,図1による。
b) 鋼矢板の継手は,打込みの際には十分にかみ合い,引き抜く際には容易に離脱できる形状とし,できだけ水密性が得られる構造になるものでなければならない。
c) 鋼矢板の形状及び寸法の許容差は,表4による。
d) 単位質量は,受渡当事者間の協定による。
e) 注文者の指定によって,鋼矢板を施工時につ(吊)るための,穴あけ又は附属品取付けを行ってもよい。この場合の,検査,表示などは受渡当事者間の協定による。
7 外観
鋼矢板は,使用上有害な欠点があってはならない。ただし,使用上有害な欠点は,JIS G 3192の箇条9(外観)によって除去又は補修してもよい。
JIS A5528:2000
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