JIS A5523:2000 溶接用熱間圧延鋼矢板
1 適用範囲
この規格は,土留め,締切り,構造物の基礎などに使用する熱間圧延鋼矢板(以下,鋼矢板という。)であって,特に溶接性に優れたものについて規定する。
2 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 0320 鋼材の溶鋼分析方法 JIS G 0321 鋼材の製品分析方法及びその許容変動値
JIS G 0404 鋼材の一般受渡し条件
JIS G 0415 鋼及び鋼製品−検査文書
JIS G 1201 鉄及び鋼−分析方法通則
JIS G 1228 鉄及び鋼−窒素定量方法
JIS G 3192 熱間圧延形鋼の形状,寸法,質量及びその許容差 JIS Z 2241 金属材料引張試験方法 JIS Z 2242 金属材料のシャルピー衝撃試験方法
3 用語及び定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
3.1 フリー窒素 窒素と親和性の高い合金元素(アルミニウム,チタン,バナジウムなど)と化合して鋼中に析出した窒化物に含まれる窒素(窒化物型窒素)以外の鋼中固溶窒素。
4 種類及び記号 鋼矢板の種類は,3種類とし,その記号は,表1による。
表1−種類の記号 種類の記号 SYW295 SYW390 SYW430
5 化学成分 鋼矢板は,10.1の試験を行い,その溶鋼分析値は,表2による。
表2−化学成分 単位 % 種類の記号 C Si Mn P S フリー窒素a) SYW295 0.18以下 0.55以下 1.50以下 0.040以下 0.040以下 0.006 0以下b) SYW390 SYW430
必要に応じて,この表以外の合金元素を添加してもよい。この表以外の化学成分のうち,箇条6で定める炭素当量の計算式に含まれる成分については,10.1の試験を行う。
注a) フリー窒素は,鋼中の全窒素定量値から窒化物型窒素定量値を減じた窒素として求める。全窒素定量方法は,JIS G 1228による。窒化物型窒素定量方法は,附属書Aに示す鋼−窒化物型窒素定量方法による。窒化物型窒素の定量は,製品から採取した試料によって行う。フリー窒素含有率の値は,全窒素含有率に置き換えてもよい。
b) フリー窒素が,0.006 0 %を超え,0.010 0 %以下の鋼材については,ひずみ時効(3 %ひずみを与えた後,250 ℃で1時間保持)した試験片でシャルピー衝撃試験を行い,その結果が表5を満足する場合には,フリー窒素の規定値を0.010 0 %以下としてもよい。
JIS A5523:2000
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