JIS A1149:2001 コンクリートの静弾性係数試験方法 Method of test for static modulus of elasticity of concrete
1 適用範囲
この規格は,静的な圧縮力を受けるコンクリート円柱供試体及び構造物から採取した円柱コア供試体の縦方向の静弾性係数を求める試験方法について規定する。 注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 ISO 1920-10:2010,Testing of concrete−Part 10: Determination of static modulus of elasticity in compression(MOD) なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”ことを示す。
2 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)
を適用する。 JIS A 1107 コンクリートからのコアの採取方法及び圧縮強度試験方法 JIS A 1108 コンクリートの圧縮強度試験方法 JIS A 1132 コンクリートの強度試験用供試体の作り方
3 用語及び定義 この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1 静弾性係数 供試体の応力−ひずみ曲線において,最大荷重の1/3に相当する応力点と供試体の縦ひずみ50×10−6のときの応力点とを結ぶ線分の勾配として与えられる割線静弾性係数。
3.2 検長
供試体のひずみを検出する長さ。
3.3 ひずみ測定器 供試体の縦ひずみを検出するための測定器の総称。 なお,縦ひずみの検出センサーには,ひずみゲージ,差動トランス式変位計などを用いる。
4 試験装置及び器具 試験装置及び器具は,次による。
4.1 圧縮試験機及び上下の加圧板 圧縮試験機及び上下の加圧板は,JIS A 1108の4.(装置)に規定するものとする。
4.2 ひずみ測定器 ひずみ測定器は,供試体の縦ひずみ(ひずみ度)を10×10−6以下の精度で測定できるものとする。また,ひずみ測定器の検長は,コンクリートに用いた粗骨材の最大寸法の3倍以上かつ供試体の高さの1/2以下とする。
5 供試体 供試体は,JIS A 1132の箇条4(圧縮強度試験用供試体)によって作製した円柱形の供試体又はJIS A 1107によって切り取った円柱形のコア供試体とする。 なお,コア供試体の高さがその直径の2倍になるように成形する。
6 試験方法
6.1 供試体の準備 供試体は,所定の養生を終わった直後の含水状態で試験ができるようにしなければならない。 水中養生又は湿潤養生を行った供試体は,ひずみゲージを貼り付けるため,供試体の表面を自然乾燥させてもよい。
6.2 供試体寸法の測定 JIS A 1132の箇条4によって作製した円柱供試体の場合はJIS A 1108に,円柱コア供試体の場合はJIS A 1107によって,供試体の寸法を測定する。 6.3 ひずみ測定器の取付け ひずみ測定器は,供試体の軸に平行かつ対称な二つの線上で,供試体の高さの1/2の位置を中心に取り付ける。
6.4 載荷の準備 載荷の準備は,次による。
a) 試験は,温度及び湿度の変化の少ない室内で行う。
b) 供試体は,供試体直径の1 %以内の誤差で,中心軸が加圧板の中心と一致するように置く。
6.5 載荷方法 載荷方法は,次による。
a) 載荷は,供試体に衝撃を与えないように一様な速度で行う。 なお,載荷の初期段階において過大な速度で供試体に荷重を加えると,初期ひずみが測定できないため注意する必要がある。
b) 荷重を加える速度は,圧縮応力度の増加が毎秒0.6±0.4 N/mm2になるようにする。
JIS A1149:2001
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