JIS A1143:2001 コンクリートの凝結時間試験方法
1適用範囲
この規格は,貫入針を用いてコンクリートの凝結時間を試験する方法について規定する。2引用規格次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)
を適用する。JIS A 1115 フレッシュコンクリートの試料採取方法JIS A 1138 試験室におけるコンクリートの作り方JIS A 1156 フレッシュコンクリートの温度測定方法JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第 1 部:金属製網ふるい3試験用装置及び器具3.1貫入抵抗試験装置 貫入抵抗試験装置は,次による。
a)貫入抵抗試験装置は,油圧又はスプリングを介して貫入針に貫入力を与える機構をもつものとする。b)貫入に要する力を圧力計又はスプリングによって最大 1 kN まで,精度 10 Nで測定できるものとする。
3.2貫入針 貫入針は,次による。
a)貫入針は,貫入部が均一な円形断面の鋼製で,先端を平面に仕上げたものとし,かつ,反対側を貫入抵抗試験装置に脱着可能となるように加工したものとする。
b)貫入針の断面積は,100 mm2,50 mm2,25 mm2及び 12.5 mm2のものを標準とする。なお,目的とする貫入抵抗値をより正確に測定するために断面積を変更してもよい。
c)貫入針は,先端から 25 mm の位置の円周に刻印を付けたものとする。
3.3容器 容器は,水密で十分強固なものとし,内径が 150 mm 以上,内高 150 mm 以上の金属製の円筒形又は短辺 150 mm 以上,内高 150 mm 以上の金属製の長方体のものとする。
3.4突き棒 突き棒は,直径 16 mm,長さ 500 mm の丸鋼とし,その先端を半球状にしたものとする。
4試料
試料は,次による。a)コンクリート試料は JIS A 1138 によって作るか,又は JIS A 1115 によって採取したものとする。b)試験に用いる試料は,採取したコンクリート試料を JIS Z 8801-1 に規定する公称目開き 4.75 mm の網ふるい1)でふるったモルタル分とする。採取したコンクリート試料の温度は,JIS A 1156 によって測定する。注1)ふるいの寸法は 5 mm と呼ぶことができる。5試験方法試験は,次による。
a)試料のモルタルは,ハンドスコップで練り直して十分に均一なものとし,容器の軸にほぼ対称となるように,一層で入れる。b)容器に入れた試料の上面を突き棒でならし,約 1 000 mm2について 1 回の割合で突くものとする。この割合で突いて材料の分離を生じるおそれがあるときには,分離を生じない程度に突き数を減らす。突き終わった後,容器の側面を軽くたたいて突き穴をなくし,上面を容器の上端より約 10 mm 低くなるようにならす。試料の表面は,最小の作業で平滑な面となるように,こてでならす。
c)試料を入れた容器を振動しないような水平な台又は床の上に置き,容器から水分が蒸発しないような適切なふたをする。試験中は,ブリーディング水を吸い取るとき,及び貫入試験を行うときを除き,常にふたをしておく。
d)ブリーディング水がある場合には,貫入試験を行う直前に,試料の表面のブリーディング水をピペット,その他の適切な器具を用いて吸い取る。なお,ブリーディング水を取除く際は,貫入試験を行う約 2 分前に,厚さ約 30 mm のブロックなどを容器の底部片側に挟んで容器を注意深く傾けて置く。ブリーディング水を取り除いた後,振動を与えないように注意して容器を元の状態に戻す。
e)試料の硬化状態に応じて適切な断面積をもつ貫入針を選び,貫入抵抗試験装置に取り付ける。貫入針を試料中に注意深く鉛直下方に 25 mm 貫入させる。貫入の深さは,貫入針につけた刻印で確かめる。貫入に要する時間は,約 10 秒とする。
f)貫入試験を行った時刻及び貫入に要した力(N)を,装置から読みとって記録する。
g)貫入に当たっては,前の貫入試験で乱された部分を避けて貫入させるように注意する。貫入針の針跡の純間隔は,用いる貫入針の直径の 2 倍以上で,かつ,15 mm 以上でなければならない。また,貫入針と容器側面との純間隔は,25 mm 以上とする。
h) 6 b)で求めた貫入抵抗値が 28.0 N/mm2を超えるまで貫入試験を続行する。貫入試験は,貫入抵抗値 28.0N/mm2が得られるまで少なくとも 6 回行わなければならない。
i)測定場所の温度及び湿度は,試験中適宜測定する
JIS A1143:2001
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