JIS E4205:2001 鉄道車両用オイルダンパ−性能通則 Oil damper for railway rolling stock−General rules for performance
1. 適用範囲 この規格は,鉄道車両の走行安定性及び乗り心地向上のために用いるオイルダンパ(以下,ダンパという。)の性能について規定する。 備考 振動状況によって減衰力を切り替える構造のダンパは除く。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 JIS K 2269 原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法
JIS K 2283 原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法
3. 種類及び記号 ダンパの種類及び記号は,表1のとおりとし,減衰力の作用方向については,表2のとおりとする。
4. 性能 ダンパの性能は,次の各項を満足しなければならない。
a) 油漏れ ダンパは,油漏れがあってはならない(試験方法は8.1による)。
b) 減衰力 ダンパの減衰力は,次のとおりとする(試験方法は8.2による)。
1) 減衰力特性及び許容差は,受渡当事者間の協定による。
2) ダンパの一般的な性能は減衰係数C (kN・s/m) で示し,詳細な特性はピストン速度と減衰力の関係で示す。
3) 減衰力の許容差は,通常の場合,非線形領域では±20%とし,線形領域では±15%とする。
4) 減衰力は,取付部の剛性の影響を受けない状態で試験を行ったときの値とする。
備考1. ダンパの減衰力がピストン速度に比例するものを線形(図1)とし,ピストン速度に比例しないものを非線形とする。この組み合わせによって非線形+線形(図2)と線形+線形(図3)があり,境界点をリリーフ点とする。
2. 各特性におけるピストン速度と減衰力の関係は,通常は,図1では,V1及びV2の2点,図2及び図3ではV1,V2及びV3の3点で規定する。
3. 減衰力規定値以外に,最大許容ピストン速度 (Vmax),及び最大減衰力 (Fmax) を,規定する。
c) 作動油の性能 ダンパに用いる作動油は,通常,精製された鉱油に添加剤を加えて耐摩耗性を付与したもので,動粘度10mm2/s (40℃),粘度指数100以上,及び流動点−37.5℃以下のものを使用する(JIS K 2283,JIS K 2269による。)。
d) 行程 ダンパの行程は受渡当事者間で協定し,その値は,ダンパが機械的ストッパとならぬよう定める。
e) 強度 ダンパは最大減衰力,取付部の最大ねじり,こじりモーメント及び振動慣性力に対して十分な強度をもつこと。
5. 構造 ダンパの構造は,本体及び取付部からなり,本体内のピストンの移動によって発生する減衰力(油圧抵抗力)で目的に応じて走行車両の上下,左右,ローリング又はヨーイングの振動を減衰するもので構造例を付図1に示す。
6. 形状及び寸法 6.1 ダンパの形状及び寸法表示 ダンパの形状及び寸法表示を,図4に例示する。
JIS E4205:2001
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