JIS A8318:2001

01-04-2023 comment

JIS A8318:2001 土工機械− 座席基準点 (SIP) Earth-moving machinery−Seat index point (SIP)
1. 適用範囲
この規格は,JIS A 8308に規定された土工機械,及びISO 3339-0に規定された農業用並びに林業用の,トラクタ並びに機械のために設計された,すべての種類の座席に対応する座席基準点 (SIP) の位置を決定するために使用される方法と装置について規定する。
これは,座席の固定点に対してSIPの位置を設定する。SIPは,座席それ自体によって決められるか,又は運転環境の中で座席を位置づけるものとして機械上に設定される。SIPは,座席特有なものであるので,座席の製造業者が設定してもよい。 備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 5353 : 1995 Earth-moving machinery, and tractors and machinery for agriculture and forestry−Seat index point (IDT)
2. 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 JIS A 8308 土工機械−基本的機種−用語 備考 ISO 6165 : 1997, Earth-moving machinery−Basic types−Vocabularyが,この規格と一致している。
ISO 3339-0 : 1986 Tractors and machinery for agriculture and forestry−Classification and terminology−Part 0 : Classification system and classification
3. 定義 この規格で用いられる主な用語の定義は,次による。 3.1 座席基準点(seat index point,以下,SIPとする。)
図1に示す装置を5.3に規定するように座席に取り付けたとき,その中心垂直平面上の点。 備考1. SIPは,機械に対して固定されたものであり,座席の調整及び/又は揺動範囲によって変わ
るものではない。
2. SIPは,この規格によって確立し,明らかにされたものとして考えられ,運転員座席回りの設計に際し,理論上の胴−もも関節軸と座席の中心線を含む垂直平面との交点として与えられる。 3.2 固定点 (fixing point) 製造業者によって規定された点で,SIPの割り出し点。 例として,図2及び図3参照。
4. 多目的機械の座席 座席によっては,その機械で,複数の機能を行うように,運転員の位置を定め,しっかり支えるように設計されているものがある。機械又はトラクタに2種の操縦装置があるため,座席が2種の位置をとる場合は,あたかも機械又はトラクタに2脚の座席かあるように,機械又はトラクタに対する座席のSIPは,2種の操縦装置それぞれに対して1か所ずつ,2種の位置をとる。第1のSIP位置は,その第1の位置と操縦装置を適用する規格で使用し,第2のSIP位置は,その第2の位置と操縦装置を適用する規格で使用する。
5. 技術的要求事項
5.1 SIPを決定するための装置 SIPを決定するための装置は,図1に従う。装置の質量は,6kg±1kgとする。装置の作動表面は硬質木材(200番又はより細かいサンドペーパ又は同等品でこすり磨く。)又は同等の材料で,
5.3.1のモスリン布などで与えられる最小摩擦と同等の性能をもつものとする。 5.2 SIPを決定するときの調節 座席及びその支持部が調節式であるときは,座席は,SIPを決める前に次の過程に従って調節する。
5.2.1 座席の調節 前後,上下及び後傾角の調節は,すべてその中央の位置とする。もしも中央の位置にできない場合には,上又は後方の中央に最も近い調節位置とする。
5.2.2 懸架装置 懸架装置は,製造業者の取扱説明書に従って固定する。もしも,取扱説明書がないときは,懸架装置を,その可動範囲の中央になるよう固定する。 非調節式懸架装置の場合は,質量を付加したSIP装置を取り付けたときの高さに固定する。
5.3 SIPの決定 SIPは,図1に示す装置を用いて,次の手順によって定める。
5.3.1 座席の準備 測定を始める前に,座席が20℃±2℃の室温に到達するように,十分な時間をとる。 座席を水平面上に置く。 座面及び背もたれの,クッションを柔らかくするために,75kg±10kgの人を1分間に2回ほど着座させる。座席は,測定を開始する前に,最低5分間は,無負荷とする。 摩擦を最小とするため,十分な大きさの一枚のモスリンなどの布で座席を覆い,クッション表面と測定装置の間の直接接触を防ぐ。布が,装置の位置決めに影響しないように注意する。
5.3.2 装置の配置 SIP装置を,付加質量を付けないで座席の背当てに向けて押しつけながら,座席クッション上の左右中心に置く。装置は,座席の左右中心にあり,平らに置かれていることを,確認する。
装置の全質量が,6kg±1kgから26kg±1kgになるまで付加質量を追加する。付加質量による垂直力のかかる中心点は,装置の平面図におけるSIPマークの前方40mmとする(図1参照)。
SIP装置を,座面及び背もたれのクッションによくなじませるために,図1に示された位置で,約100Nの水平後方に向けた力を交互にかけたり,抜いたりし,また,装置を左右に揺する。 装置の全質量が,26kg±1kgから65kg±1kgになるまで付加質量を追加する。付加質量による垂直力のかかる中心点は,装置の平面図におけるSIPマークの前方40mmとする(図1参照)。

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