JIS B9937:2001 油圧−作動油試料容器− 清浄度の品質及び管理方法 Hydraulic fluid power−Fluid sample containers− Qualifying and controlling cleaning methods
1. 適用範囲
この規格は,産業,自動車,船舶,航空宇宙の油圧において用いられる作動油の汚染分析技術に関連して使用される試料容器の品質及び管理方法について規定する。 この規格は,油圧システム内の汚染分析の精度が,試料容器の清浄度不足によって損なわれないための手段を定める。 備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を示す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD(修正している),NEQ(同等でない)とする。 ISO 3722 : 1976 Hydraulic fluid power−Fluid sample containers−Qualifying and controlling clean- ing methods (IDT)
2. 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0142 油圧及び空気圧用語 備考 ISO 5598 : 1985, Fluid power systems and components−Vocabularyからの引用事項は,この規格の該当事項と同じである。
JIS B 9930 油圧−作動油汚染−顕微鏡を用いた計数法による微粒子測定方法 備考 ISO 4407 : 1999, Hydraulic fluid power-Fluid contamination−Determination of particulate contamination by the counting method using a microscopeが,この規格と一致している。
ISO 4408(1), Hydraulic fluid power−Determination of fluid contamination−Counting method under incident light 注(1) 準備中
3. 定義 この規格で用いられる主な用語の定義は,JIS B 0142によるほか,次による。
3.1 平均出検品質限界 (average outgoing quality limit) (AOQL) 要求清浄度を満足しない試料容器の割合の最大値。
3.2 清浄な流体 (clear fluid) 粒子の計測方法と使用容器に適合し,定められた粒径以上の粒子について,100ml当たりの粒子数が要求清浄度の10分の1を超えない流体。 3.3 連続合格数 (consecutive acceptance number) (N) 洗浄方法の妥当性を立証するために必要な初期認定検査の最小数。
3.4 検査率 (inspection ratio) (R) 洗浄された容器数に対する,任意に選ばれた検査容器数
3.5 要求清浄度 [required cleanliness level (RCL)] 試料容器の容積100ml当たりの定められた粒径より大きい粒子の最大数。
4. 清浄度測定手順
4.1 5.の検査で選んだ試料容器に,その容量の50±5%まで清浄な流体を満たす。
4.2 試料容器にフィルムをかぶせ,ふたをし流体を分析するときと同様に試料を振とうする。
4.3 JIS B 9930で定められた粒子計測法を用いて,流体を分析するときと同じ方法で,流体100ml当たりの定められた粒径より大きい粒子数を測定する。
4.4 4.3で得られた粒子数に,試料容器の容量に対する,加えられた流体の容量の比を乗じる。
4.5 この数を清浄度として記録する。
5. 管理手順
5.1 RCLを選ぶ。RCLの値は,試料100ml中に予想される粒子数の最小数の10%を超える数は選んではならない。
5.2 AOQLを選ぶ。不合格容器の最大許容割合で長期間許容できる基準とする。 5.3 処理要求事項に適合する適切な数値Rを選ぶ。5につき1の検査率では,初期認定検査は少なくてすむが,工程間検査を多くやることが要求される。20につき1の検査率では,初期認定検査は多いが,工程間負荷を減らすことができる。
JIS B9937:2001
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