JIS C0026:2001 環境試験方法−電気・電子−封止(気密性)試験方法
1.適用範囲 封止試験は,いろいろな適用に対してそれぞれ異なった試験手順を規定した試験方法から構成されている。
試験 Q は,その検出方法によって,更に次の二つに分類することができる。− 内部検出:リークによって供試品の中に浸入した試験媒体(液体又は気体)で生じた電気的特性の変化を測定する方法
− 外部検出:リークによって試験媒体が排出するのを観測する方法内部検出試験 Qf及び Qlの二つの試験は,よく似ている。この試験は,部品,例えば,プラスチックホイルコンデンサなどの試験には,大変有効である。しかし,電気的変化が長時間たってから(例えば,試験終了後)現れる部品には推奨できない。
外部検出試験は,その適用によって細分される。試験 Qaは軸受,回転軸及びガスケットの封止を確認するために使用する気泡試験である。他の Qc,Qd,Qk及び Qmは,金属容器などの容器中のリークを観測するために使用される。試験 Qcは,3 種類の感度をもった気泡試験である(1Pa・cm3/s以上の漏れ)。
試験 Qk及び Qmは,これらの試験の中で最も感度の高い試験である。感度の範囲は,1Pa・cm3/sから10−6Pa・cm3/sまでである。試験 Qdは,製造工程中で液体又は試験温度で液化するものを充てんして行う液体浸出試験である。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21 に基づき,IDT(一致している),MOD(修正している),NEQ(同等でない)とする。IEC 60068-2-17 : 1994, Basic environmental testing procedures−Part 2 : Tests−Test Q : Sealing (IDT)
2.引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 0010 環境試験方法−電気・電子−通則備考 IEC 60068-1 : 1998, Environmental testing−Part 1 : General and guidance が,この規格と一致している。
3.定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
3.1リーク率 (Leak late) リーク箇所の圧力差が既知のとき,ある温度の乾燥ガスが単位時間当たりに流れる量。備考 リーク率の SI 単位は,Pa・m3/sであるが,誘導単位である Pa・cm3/sとする。ここで,1Pa・m3/s=106Pa・cm3/sである。
3.2標準リーク率 (Standard leak late) 温度及び圧力差が標準条件でのリーク率。この試験の標準条件は,温度 25℃,圧力差 100kPa である。
3.3測定リーク率 (R) (Measured leak rate) 規定の条件で,規定の試験ガスによって測定した供試品のリーク率,又は上記以外の試験方法によって測定した供試品のリーク率。備考1. 測定リーク率 (R) は,温度25℃,圧力差100kPa で,ヘリウムガスを使用して測定することが多い。2.上記以外の試験方法によって求めた測定リーク率は,比較するために等価標準リーク率に換算する。
3.4等価標準リーク率 (L) (Equivalent standard leak rate) 試験用ガスに空気を用いたときの供試品の標準リーク率。
3.5リークの時定数 (θ) (Time constant of leakage) リーク箇所の圧力差の変化率が初期の値で一定に保たれていると仮定し,圧力差が零になるまでの時間。この試験の目的に対しては,供試品の内部容積を等価標準リーク率で除した値に等しい。参考θは,次の式で求められる。
JIS C0026:2001
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