JIS H1696:2000 タンタル中の水素定量方法
1. 適用範囲
この規格は,タンタル中の水素定量方法について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用規格は,その最新版を適用する。
JIS H 1680 タンタルの分析方法通則
3. 一般事項 分析方法に共通な一般事項は,JIS H 1680による。
4. 定量方法 水素の定量方法は,不活性ガス融解−熱伝導度法による。この方法は,水素含有率0.000 5% (m/m) 以上0.02% (m/m) 以下の試料に適用する。
5. 不活性ガス融解−熱伝導度法
5.1 要旨 不活性ガス気流中で,黒鉛るつぼを用いて試料をすず及びニッケルとともにインパルス炉又は高周波誘導加熱炉によって加熱融解し,水素を他のガスとともに抽出する。抽出したガス中の水素を次のいずれかによって水素又は水として他のガスから分離した後熱伝導度検出器に導き,水素又は水による熱伝導度の変化を測定する。
a) ガスをそのまま分離管に通して水素として他のガスと分離する。
b) ガス中の水素を酸化した後分離管に通して水として他のガスと分離する。
c) ガス中の一酸化炭素を酸化した後分離管で除去し,水素として他のガスと分離する。
5.2 材料及び試薬 材料及び試薬は,次による。
a) すず 粒状又は円盤状のもので,使用前に脱ガス操作を行って使用する。
b) ニッケル はく状又はカップ状のもので,水素含有率0.000 1% (m/m) 以下のもの。
c) 不活性ガス 99.99% (v/v) 以上のアルゴン,ヘリウム又は窒素を用いる(1)。
d) 水素ガス 99.99% (v/v) 以上のもの。
e) 黒鉛るつぼ インパルス炉又は高周波誘導加熱炉に適合するもの。その例を付図1に示す。
f) 石英るつぼ 高周波誘導加熱炉に適合するもの。その例を付図2に示す。
注(1) 使用する不活性ガスは,抽出した水素をそのまま分離管に通して測定する場合にはアルゴンを,水に変換後分離管に通して測定する場合はヘリウムを,二酸化炭素吸収管に通して二酸化炭素と水素を分離後測定する場合には窒素を,それぞれ用いる。
5.3 装置(2) 装置は,不活性ガス精製部,ガス抽出部,ガス分離部,ガス測定部,検量用水素精製部,水素ガス検量管などで構成する。その例を付図3,付図4及び付図5に示す。
JIS H1696:2000
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