JIS M0303:2000 岩石の引張強さ試験方法 Method of test for tensile strength of rock
1. 適用範囲
この規格は,整形された岩石試料の引張強さ試験方法のうち,圧裂引張試験方法について規定する。 備考 この規格でいう圧裂引張試験方法とは,図に示すように円柱形の試験片を,その断面直径方向に線荷重を加えて破壊し,引張強さを求める方法をいう。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版を適用する。 JIS B 7733 圧縮試験機−力の検証方法 JIS Z 8401 数値の丸め方
3. 試験片
3.1 形状 試験片の形状は円柱とし,長さlと直径dとの比,すなわち,l/dは1/2以上1以下とする。
3.2 寸法 試験片の直径は,20mm以上100mm以下とする。
4. 試験機
4.1 使用する試験機は,試験片に圧縮力以外の外力が加わらない構造とし,荷重が円滑に加えられるものでなければならない。
4.2 使用する試験機は,JIS B 7733の5.に規定する検査に合格しているものでなければならない。
5. 試験の準備
5.1 試験片の整形 加圧板に接触する試験片の側面は,十分に滑らかで,0.1mm以上の直径の差があってはならない。試験片の両端面は互いに平行で,かつ,側面に垂直になるように整形しなければならない。
5.2 試験片の状態 試験片の含水状態を所定の状態に保つように,十分な考慮を払わなければならない。
5.3 試験片の寸法の測定 荷重を加える前に,試験片の中央付近で,互いに直交する2方向の直径を0.05mmまで測定し,その平均値を試験片の直径とする。 荷重を加える前に,試験片の中心軸を含み,互いに直交する2平面内の各1箇所で,両端面の間隔を0.05mmまで測定し,その平均値を試験片の長さとする。
6. 試験の実施
6.1 試験片の位置 試験片は加圧板の中央に偏心しないように置く。この場合,加圧板と試験片の側面とが平行で,一様に接触するようにしなければならない。
6.2 荷重の加え方 荷重は衝撃を与えないように,破壊が起こるまで滑らかに増加するように加えなければならない。荷重を加えて破壊するまでの時間は,1〜15分間になるようにしなければならない。 6.3 荷重の測定 試験片が破壊するまでに,試験機が示した最大荷重を有効数字3けたまで読む。
6.4 破壊面の状況 破壊面は,上下加圧板と試験片との接触面の中心線を結ぶ平面と,著しくくい違ってはならない。 また,接触面の幅は,試験片直径の10%以下でなければならない。
7. 計算 試験片の引張強さを,次の式を用いて4けたまで計算し,JIS Z 8401により,有効数字3けたまで丸めて表す。 dlFt2= ここに, 瓿 引張強さ (MPa) F: 試験片が破壊するまでに試験機が示した最大荷重 (N) d: 円柱試験片の直径 (cm) l: 試験片の長さ (cm)
8. 報告 試験片について,次の事項を記載する。
a) 試験片の番号又は記号
b) 試験片の形状及び寸法
c) 引張強さ
d) 含水状態
e) 方向性のある岩石については,荷重を加えた方向 f) 破壊状況
JIS M0303:2000
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