JIS T6518:2000 アクリル系歯冠用レジン
1 適用範囲
この規格は,アクリル系歯冠用レジン(以下,レジンという。)について規定する。ただし,歯冠用硬質レジンは除く。 注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 ISO 10477:2004,Dentistry−Polymer-based crown and bridge materials(MOD) なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”ことを示す。 なお,平成26年7月28日までJIS T 6518:2005は適用することができる。
2 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7502 マイクロメータ JIS R 6010 研磨布紙用研磨材の粒度 注記 対応国際規格:ISO 6344-1,Coated abrasives−Grain size analysis−Part 1: Grain size distribution test(MOD)
JIS T 0993-1 医療機器の生物学的評価−第1部:評価及び試験 JIS T 6001 歯科用医療機器の生体適合性の前臨床評価−歯科材料の試験方法
JIS T 6003:2005 歯科材料の色調安定性試験方法 注記 対応国際規格:ISO 7491:2000,Dental materials−Determination of colour stability(MOD)
JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験−試験方法 注記 対応国際規格:ISO 6507-1,Metallic materials−Vickers hardness test−Part 1: Test method(MOD)
3 種類 レジンは,重合開始方式によって次の4種類とする。
a) 第1種 加熱重合型
b) 第2種 化学重合型
c) 第3種 光重合型
d) 第4種 デュアルキュア型1)
注1) 光重合,化学重合,加熱重合のうち,二つの重合方式をもつ場合をデュアルキュアというが,この規格においては,化学重合と光重合との両方で重合する型をいう。
4 品質
4.1 一般的性質 レジンは,製造販売業者が指定する方法で用いたとき,歯冠に適した状態に形成できなければならない。
4.2 生体適合性 生体適合性については,JIS T 0993-1及びJIS T 6001によって生物学的安全性を評価する。
4.3 環境光安定性 第3種(光重合型)レジンは,6.3によって試験したとき,光照射しない場合と比べて,明らかな差があってはならない。
4.4 外観及び色調 硬化したレジンの研磨した面は,6.4によって試験したとき,均一できょう(夾)雑物を含まず,色むらがなく,かつ,製造販売業者が指定する色調に合致しなければならない。
4.5 表面仕上げ レジンの表面は,6.4によって試験したとき,光沢があり滑らかでなければならない。
4.6 硬さ レジンの硬さは,6.5によって試験したとき,10 HV0.2以上でなければならない。また,第3種レジンの下面(非照射面)の硬さは,上面(照射面)の硬さの70 %以上でなければならない。
4.7 曲げ強さ レジンの曲げ強さは,6.6によって試験したとき,50 MPa以上でなければならない。
4.8 吸水量 吸水量は,6.7によって試験したとき,50 μg/mm3以下でなければならない。
4.9 溶解量 溶解量は,6.7によって試験したとき,7.5 μg/mm3以下でなければならない。
4.10 色調安定性 色調安定性は,6.8によって試験したとき,容易に認められるような変色があってはならない。
5 材料 レジンは,メタクリル酸エステル単量体及び重合体を主成分とする粉末及び液,又はぺーストからなり,質が均一できょう雑物を含んではならない。
JIS T6518:2000
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